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趣 味

植物と鳥をとりまく関係のとりどり

2017年09月07日  (hayatine)
 
 2017年9月3日(日)10時30分から約2時間に渡り、藤沢駅近くの会場で植物と鳥の関係についての講演会が開催されました。
講師は何冊もの本を出されている多田多恵子先生で、会場には先生のお話を聞くために大勢の立ち見の方で溢れ、最後まで熱心に聞いていました。
身近な植物と鳥との関係についてパワーポイントを観ながら、分かり易く説明されました。
tori01主催の藤沢探鳥クラブ 藤山さんが先生を紹介されました。
tori02会場は立ち見の方で溢れていました。
 多くの鳥が植物の実や種子を重要な食糧源としています。鳥は種子を運ぶ散布者として重要な働きをしています。
実や種子そのものを破壊して芽を出せなくする「種子破壊者」となる場合と、実を食べることによって種子をばらまいてそこで芽が育つ「種子散布者」となる場合があります。
tori03サルスベリとマヒワ
tori04アザミの種子を食べるマヒワ
 マヒワ、シメ、ベニマシコ、カワラヒワなど、アトリ科の鳥はペンチのようなくちばしをもっており、このくちばしで硬い実や種子を砕いて食べてしまいます。
つまり種子破壊者であり、堅く殻で防護している種子もほぼ完全に破壊されてしまします。
一方、ツグミ科やヒタキ科、カラス科、ムクドリ科、レンジャク科、メジロ科、ヒヨドリ科、キツツキ科などの鳥は、果実を好んで食べて、柔らかな果実だけを消化し、硬い種子はそのまま排泄します。植物から見れば、種子がうまく運ばれることになります。
tori05鳥に向けて、見た目でアピール!
tori06苦味、えぐ味、渋味のある実
 植物は、鳥に一度に多量に食べてしまわれないように、少しずつ何回も分けて食べられるように、わざと苦渋の物質を実に潜ませています。
鳥が食べている実をためしに味見してみると、苦くてまずい実が多いのです。ナンテンやセンダンのように毒を含んでいる実も少なくありません。
少しずつ、何回にも分けて食べてもらって、あちこち広い範囲に少しずつ時間をおいてばらまいてもらえるように、という植物のしたたかな戦略なのです。
私はこれを「ちょっとだけよの法則」と呼んでいます。
tori07ナンテンなどの毒をもつ実
tori08甘い実は少しずつ時間をおいて熟す。
 ブルーベリーや桑の実のように、甘くておいしい実もありますが、こういう実はきまって一度に熟さず、少しずつ時間をおいて、色も変えて熟すのです。
鳥は色や柔らかさで熟度を確かめ、熟した分だけ少しずつ食べます。ここにも「ちょっとだけよの法則」が成り立っています。渋かったり苦かったり
毒だったりする実は、たいてい一度に熟して、それも秋から冬に多いのです。
一方、甘くおいしく熟す実は、初夏から夏に多いという共通点があります。
(当日多田先生作成資料より抜粋)
多田多恵子先生のプロフィール
東京都生まれ。東京大学博士課程修了、理学博士。専門は植物生態学。立教大学、ICU、東京農工大学非常勤講師、日本植物友の会理事。
著書 「野に咲く花の生態図鑑」(河出書房新社)、「種子たちの知恵」(NHK出版)、「実とタネキャラクター図鑑」(誠文堂新光社)など多数。