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続・湘南のお地蔵さま-8 『切通しの身代り地蔵』

2017年8月3日(記事:江ノ電沿線新聞8月号)
 
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 大磯駅からバスに乗り、城山(じょうやま)公園前で降りると、すぐ近くに今年四月に開館した旧吉田茂邸へ続く公園の正門がある。さらに二宮方面へ少し進むと、道路の反対側に、檀家を持たず地元と共に歩む寺をめざす浄土宗西長院がある。
 今回のお地蔵さまは、以前この辺りにあった切通しに祀られていたことから切通しの身代り地蔵と呼ばれ、今はこの寺の本尊として本堂奥に祀られている。
 この石造りの像には次のような伝説が残っている。鎌倉時代の武将梶原景時の部下に悪太郎という名の武士がいたが、その名前と違い信心深く、日々このお地蔵さまにお参りしていた。ある時、鎌倉で源頼朝が狼藉に会う騒ぎがあり、悪太郎も犯人の一人とされ、普段通りこの地蔵を参拝中に襲われ、斬り殺されてしまった。ところが、しばらくすると息を吹き返し、体を見ても傷ひとつもない。驚いて目の前の地蔵を見ると、血がべっとりついて、刀で斬られていた。
 この像は像高が一五〇㌢あり、首と胸に継目がある。全体的に風化の跡がみられるが、量感に富み衣のひだも写実的で、鎌倉時代に作られた名品である。秘仏のため、年に三回(一・八・十月の各二十四日)参拝可能なので、鎌倉武士の愛した力強さみなぎるお地蔵さまと出会ってほしい。
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※江ノ電沿線新聞2017年7月号掲載コラムをえのぽに転載しました。
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