江の島
 

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江の島

江の島の植物・ヤマグワ 

2018年3月8日 写真&文: 坪倉 兌雄
yamaguwa1龍野ヶ岡自然の森のヤマグワの高木(雌株)
ヤマグワ(山桑)はクワとも呼ばれ、山地に生える落葉高木で、樹高は5~15㍍、雌雄異株でまれに同株があります。本邦では北海道・本州・四国・九州に分布し、江の島では参道わきや龍野ヶ岡自然の森などで見られます。樹皮は灰褐色で、縦に不規則な筋があり薄くはがれます。葉柄は約3㌢、葉は互生し長さ7~18㌢で幅5~11㌢の広卵形、1~5裂するものや切れ込みのないものがあり、特に若木の葉には変異が多く見られます。葉の先端は尾状に尖り、基部は円形または浅い心形で質は薄く、ふちに不揃いの鋸歯があり、脈上に短毛が散生します。花期は4月頃、本年枝の下部の葉腋に花序をつくり、淡黄緑色の花を密につけますが花弁はなく、
雄花は長さ約2㌢の円筒形花序に、雌花は長さ約5㍉の楕円形花序を垂らし、長く突き出た花柱の先端(柱頭)は2裂します。
yamaguwa2雌花(花弁のように見えるのは萼片)
yamaguwa3果実は集合果で赤色から黒紫色に熟す
yamaguwa4雄花
yamaguwa5葉の先端は長くとがる
yamaguwa6樹皮は褐色で薄くはがれる
果実は集合果で長さ1~1.5㌢の楕円形。6~7月に赤色から黒紫色に熟して食べられます。かつて養蚕は日本の重要産業の一つであり、その飼料のためにクワは各地に植えられていました。クワの語源の一つに「食う葉の意」との説があり、「桑」は三人の手と木をあらわした会意文字と
されています(参考:語源辞典)。日本書記にはすでに「桑」の名が現れ、万葉集巻第七にもくわ(桑)が詠まれていることから、万葉時代にはすでに桑の栽培がなされていたと考えられています。 
 
たらちねの 母がそのなりの 桑(くわ)すらに 願えば衣(きぬ)に 着すといふものを (万葉集巻第七1357、詠人未詳)

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