江の島の植物・ナガバハエドクソウ
2020年10月10日 写真&文: 坪倉 兌雄

ナガバハエドクソウ(長葉蠅毒草)
Phryma leptostachya var. oblongifoliaはハエドクソウ科ハエドクソウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、丘陵や山地の林や藪の陰などに生育します。江の島では裏参道わきの藪の中や、龍野ヶ岡広場などの林内で見ることができます。茎は4稜形で毛が密生し、草丈は30~60㌢に。葉は長卵形~長楕円形、基部はくさび形で対生してつき長さは6~10㌢、葉の質は薄くて縁に粗い鋸歯があり、葉裏の細脈は不鮮明。花期は6~8月、茎頂または葉腋から茎より長い穂状花序をだし、白色〜淡紅色の小さな唇形の花をまばらにつけ、花の上唇は短く2裂に、下唇は長くて3裂します。花冠の長さはおよそ6㍉で幅は4㍉、下から順に咲き上がります。果実はさく果で軸に沿って下向きになり、先端がかぎ状になった萼に包まれて、動物や人の衣服などにくっついて散布されます。
Phryma leptostachya var. oblongifoliaはハエドクソウ科ハエドクソウ属の多年草で、北海道~九州に分布し、丘陵や山地の林や藪の陰などに生育します。江の島では裏参道わきの藪の中や、龍野ヶ岡広場などの林内で見ることができます。茎は4稜形で毛が密生し、草丈は30~60㌢に。葉は長卵形~長楕円形、基部はくさび形で対生してつき長さは6~10㌢、葉の質は薄くて縁に粗い鋸歯があり、葉裏の細脈は不鮮明。花期は6~8月、茎頂または葉腋から茎より長い穂状花序をだし、白色〜淡紅色の小さな唇形の花をまばらにつけ、花の上唇は短く2裂に、下唇は長くて3裂します。花冠の長さはおよそ6㍉で幅は4㍉、下から順に咲き上がります。果実はさく果で軸に沿って下向きになり、先端がかぎ状になった萼に包まれて、動物や人の衣服などにくっついて散布されます。




葉は対生につき基部はくさび

ナガバハエドクソウの仲間にハエドクソウがあり、江の島にも生育しています。葉の形が両者で異なり、前者の葉は長卵形~長楕円形で基部はくさび形、葉裏の細脈が不明瞭。これに対して後者のハエドクソウの葉は広卵形~楕円形で基部は心形、葉裏の細脈が明瞭、これらの違いによって両者を見分けることができます。名前の由来は、葉がハエドクソウより長いことから「長葉蠅毒草」で、「蠅毒草」は植物全体に有毒成分があり、かつては根のしぼり汁を煮詰めて「ハエ取り紙」に用いたことによります。ハエ取り紙は、現在あまり目にしなくなりました。昭和20年代頃まで、農耕などの畜力作業に使う牛や馬は、各農家で飼育し、敷草や堆肥は、糞尿とともに貴重な肥料として用いられていました。それにともない当時はハエの発生が多く、ハエ取り紙は日常の生活必需品の一つとなっていました。
