江の島
 

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江の島

江の島の植物・クロガネモチ

2021年6月10日 写真&文: 坪倉 兌雄
mamakonoshirinugui1江の島に咲くクロガネモチの花
クロガネモチ(黒鉄黐)Ilex rotundaはモチノキ科モチノキ属の中高木で常緑、雌雄異株で、本州以西の暖地の山地に自生します。街路樹、公園樹、庭木としてもよく植えられていますが、その大部分が雌株で、花後の赤い実がよく目立ちます。江の島では龍野ヶ丘広場などで見ることができます。高さは10~15㍍になり、樹皮はなめらかで灰白色、皮目があり、枝は紫色を帯びて鈍い稜があります。葉は互生して、葉柄は紫色を帯び、長さは1~2㌢、葉は互生して葉身の長さは6~10㌢、幅3~4㌢の楕円形、基部は楔型で先端は短く尖ります。葉は革質で濃緑色、両面に毛はなく、全縁で光沢があり、裏面は淡緑色。花期は5~6月、本年枝の葉腋に散形花序をだし、白色または淡紫白色の花を3~7個つけます。雄花には完全な雄しべ4~6個と退化した小さな雌しべがあります。雌花には雌しべと退化した短い雄しべが4~6個あり、子房は球形で花柱はなく、柱頭が1個あります。
mamakonoshirinugui2雌花には柱頭1個と退化した雄しべ6個つく
mamakonoshirinugui3果実は球形で密につき晩秋に赤く熟す
mamakonoshirinugui4葉は濃緑色で艶がある
mamakonoshirinugui5樹皮は帯灰白色
mamakonoshirinugui6クロガネモチ(龍野ヶ丘広場にて)
果実は球形の核果で直径は約6㍉、11月頃に赤く熟します。名前の由来はモチノキの仲間で、葉柄や幼枝が紫色を帯び、葉が乾くと黒鉄(くろがね)色になることによるとされています。かつてクロガネモチやモチノキの樹皮から鳥黐(とりもち)が作られていました。5~6月にモチノキやクロガネモチの樹皮をはぎとって秋まで水につけておきます。さらにこの樹皮を臼に入れて搗き、流水で3~4回繰り返して洗うと鳥黐(とりもち)が出来ます。この鳥黐を使って補鳥や補虫に用いました。これが「モチノキ」の名の由来になっています。クロガネモチは病虫害に強く耐潮性もあり街路樹や公園樹などに、また櫛や印鑑などの器具材としても用いられます。常緑のクロガネモチ「金持ち」への語呂合わせで縁起をかつぎ、庭木としてもよく植えられます。
check 2021年6月10日