江の島
 

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江の島の植物カリン

2021年12月10日  写真&文:坪倉 兌雄
akikaramatsu1秋空に映えるカリンの実(サムエル・コッキング苑にて)
カリン(花梨)Pseudocvdonia sinensisは、中国原産の落葉小高木~高木で、平安時代には渡来していたとされ、現在では日本の各地でみることができます。樹高は5~10㍍になり、樹皮は灰緑褐色で平滑、古い幹は樹皮が鱗片状にはがれて茶褐色になり、ところどころに雲紋のような模様がみられます。葉は互生し、長さ4~8㌢の倒卵形、ふちには細かい腺状の鋸歯があります。若葉の裏面に黄白色の軟毛が生えますが、のちに脱落します。花期は4~5月、短枝の先に淡紅色の花を1個ずつつけ、花は5弁花で直径約3㌢になります。花には両性花と雄花があり、結実するのは両性花で、雄花は結実しません。両性花の中央には花柱が5個あり、そのまわりを雄しべが囲みます。したがって、両性花の萼筒は雄花の萼筒より大きくなります(写真参照)
akikaramatsu2雄花には雄しべのみ
akikaramatsu3両性花の花柱5個を雄しべが囲む

akikaramatsu4雄花の萼筒は細い
akikaramatsu5両性花の萼筒はふとくて長い
akikaramatsu6樹皮は鱗片状にはがれて茶褐色

果実は倒卵形で長さは約10㌢、10月には暗黄色に熟し芳香を放ちます。カリンは硬くて渋みがあり、生食はできませんが、カリン酒(花梨酒)をつくることができます。つくりかたは、梅酒をつくるときとほぼ同じ要領で、まず熟したカリンの皮をむき、砂糖、焼酎を用い、容器の中で1年以上熟成させてから、果実をとり除くと出来上がりです。カリン酒は盃で1日に1~2杯飲むと、疲労回復や咳止め、滋養に効果があるとされています。また成熟した果実を二つに割り乾燥させたものを、生薬では「モッカ」とよび、関節痛、心不全、腎不全などに効果があるとされています。カリンの名の由来は、木目が唐木の「花欄(かりん)」に似ていることから名付けられたとされています。カリンは盆栽、庭木として植栽され、材が美しいことから床柱や家具材などにもよく用いられます。

記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2021年12月10日