江の島の植物・ソシンロウバイ

2023年01月25日  写真&文:坪倉 兌雄
akikaramatsu1江の島に咲くソシンロウバイの花(23.01.16撮)
ソシンロウバイ(素心蝋梅)Chimonanthus praecoox f. concolorはロウバイ科ロウバイ属の落葉低木で原産地は中国中部、我が国への渡来は明治時代とされ、江戸時代に渡来したロウバイ(Chimonanthus praecox)の変種とされています。ソシンロウバイの花は黄色一色ですが、ロウバイの花弁の中心部は暗紫色になるので見分けることができます。江の島ではサムエル・コッキング苑にソシンロウバイが植栽されており、花の少ない冬季に、黄色い花を密につけてよく目立ちます。樹皮は灰褐色で、よく分枝し高さは約3㍍。花が終わった3月の末に、新しい葉が出てきます。葉は対生し、葉柄の長さは 0.3~0.8㍉、葉身は長さ5~15㌢の卵形~卵状楕円形で濃緑色、葉の両端はとがりふちは全縁、葉質はやや薄くてざらつき、葉裏は緑色で葉脈上に毛があります。晩秋に葉は黄葉してよく目立ちます。
akikaramatsu2多数の花被片が螺旋状につく
akikaramatsu3花と黄色の枯れ葉(23.01.02撮)
akikaramatsu4開花前の蕾
akikaramatsu5花全体が黄色

akikaramatsu6葉の表面(左)と裏面(右)
花期は11月下旬~2月、黄色で香りのある黄色の花を多数下向きまたは横向きに開きます。江の島では12月下旬に開花が見られましたが、枯れ葉も多く残っていました。1月初旬には枯れ葉もほとんど落葉して、黄色一色の花となり甘い香りを漂わせ、花の少ないこの時期、ソシンロウバイの花はよく目立ちます。花はほぼ無柄、花の直径は2~2.5㌢、多数の花被片が螺旋状につきます。花被片はすべて黄色、花弁と萼片に分かれることなく、内側で小さく外側で大きくなります。花は自家受粉を避けるために雌しべが先に熟して他花受粉を行い、その後、成熟した雄しべが立ち上がって雌しべを囲みます。雄しべは5~6個あり、雌しべは花托の中に多数あり、花後、花托は大きくなって、楕円形の果実(偽果)になり、その先端に萎えた雄しべが残ります。ロウバイやソシンロウバイの全株には有毒成分があり、食用にはなりません。名前の由来は「花びらが芯まで同じ色で、蠟細工のような梅に似た花を咲かせる」ことによるとされています。

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