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遊行かぶき「一遍聖絵」演劇公演

2019年3月10日  (itazu)
藤沢の遊行舎主催の遊行かぶき「一遍聖絵ーわが屍は野に捨て、獣に施すべし」の公演が2019年3月8日~10日まで市民シアターで行われた。
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遊行かぶきは今年で22年を迎え、中世の説経節や軍記、絵巻などの物語を素材に、伝統と現代演劇を融合させた独自の演劇様式による「民衆かぶき」を目指している。
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今回も、中世の国宝絵巻「一遍聖絵」を題材にした、遊行かぶきの創始者、白石征氏による作品である。「一遍聖絵」は、700年前、一遍が生きた時代の貴重な歴史的記録でもあり、今回の作品は、当時の民衆の生活や時代の絵巻を「遊行かぶき」の装いで現代の舞台へ映し出している。
3(左)哀愁が漂うJ・A・シーザーの音楽とともに、遊行かぶきになくてはならぬ政太夫の説経節
(右)絵巻の制作者といわれる聖戒が、語り部として、又今回重要なキーマンとして舞台に登場
舞台は3部で構成され、第1部「*賦算ひとり旅」、第2部「踊り念仏」、第3部「めぐり逢い」からなる。(*賦算:念仏札を人々に配って仏縁を進めること)
第1部「賦算ひとり旅」:、蒙古襲来の戦の戦傷者の療治や死者の鎮魂供養などをしながら、弟子の真教らとともに、九州から奥州まで賦算しながら遊行する。
第2部「踊り念仏」:一遍の鎌倉入り。片瀬の浜での踊り念仏。京都での布教の苦難と克服、妻だった超一の死など。
4(左)怒る神主の、刀をものともせず逆に説き伏せて出家させてしまう吉備津宮の場面
(右)片瀬の浜で踊り屋をたてて催した踊り念仏
第3部「めぐり逢い」:死を迎えんとする一遍、家を捨て遊行の旅立ちをする頃を回想しながら漂泊の孤独な魂の生涯を描く。
5(左)念仏踊りのリーダーだった超一の死。独り静かに、生まれてきた土に還りたいと言いながら亡くなる。(右)煩悩を消し再生することを象徴する「ひとつ火」を消し念仏を唱える一遍。
「一遍聖絵」は、一遍の末弟といわれていた聖戒が、絵師の円伊に描かせて作ったといわれている。舞台にも語り部のようにしばしば登場するが、第3部で、聖戒が一遍と超一との間の実子であることが明かされる。世俗の絆をすべて捨て衆生救済の旅をする一遍には、たとえ親子でも名乗らぬ悲しみを乗り越えたところに本当の心の安らぎと浄土往生があることを、聖戒に説く。             
 聖戒を登場させることで、たとえ家族の絆であっても、執着や煩悩を生み出すあらゆる絆を捨て念仏によって再生してゆこうとする一遍の、孤独の不退転の決意が伝わってきて観客の心をうつ。
よろづ生きとしいけるもの、山河草木、ふく風たつ波の音までも、念仏ならずということなし (一遍)
白石征氏は最近「一遍聖絵」の本を著されている。
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記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年3月16日