旧東海道藤沢宿3DCGリニューアルお披露目会

2019年4月16日  (itazu)
2019年4月13日(土)江戸時代の旧東海道藤沢宿を再現した3DCG(三次元コンピューターグラフィックス)リニューアルお披露目会がふじさわ宿交流館で行われた。
1(リニューアルされたシステムの藤沢宿の画像)  
2(お披露目会風景)
2016年のふじさわ宿交流館開館時に寄贈していただいた文教大学学生製作の3DCGを3年ぶりにリニューアルしたことに伴い、その新システムの紹介が行われた。開発者は、文教大学情報システム学科の川合康央教授とその研究室の皆さん。
3(写真左:川合康央教授、写真右、研究室の吉田周生さん、小林夏美さん、遠坂綾香さん)
藤沢宿は、古く遊行寺の門前町として、また江戸時代からは宿場町として、江の島詣の旅客などで賑わいを見せていたが、火災などで街並みは消失し、現在は宿場町としての面影は殆ど残っていない。ジオラマや地図だけの解説では、より実感を持って理解されためには限界があり、往時の街並みを再現し体験的に理解できる3DCGによる景観シミュレーションシステムの開発と展示が期待されてきた。
4(藤沢宿交流館の藤沢宿のジオラマや地図) (藤沢宿の今回の景観システムの対象区域)
川合研究室が開発した景観シミュレーションは、一般的な地域の歴史的文化継承ためのシステムとして様々な工夫がなされている。
1.時系列レンダリング*
景観は、時間、季節や天候によってその印象は大きく変わる。これら経時的な種々の要素について、ユーザーが自由に変更でき、よりリアルな表現が実現されている。
*レンダリング:コンピューターグラフィックスで、物体の見え方を計算しながらその画像を作成していくこと。
5(左画面)時間(朝昼夕夜)、季節(春夏秋冬)、天候(晴曇雨雪)を指定して景観を見る
ことができる。(右写真)時間の表現:左上:6時、右上:12時、左下:18時、右下:24時
2.藤沢宿モデリングの改良
 町屋、宿場施設、道路の幅員、川の深さ、樹木など、古文書、古地図、幕末のころの古写真を参照し、旧東海道の藤沢宿のより正確な街路景観がシミュレートされている。
6(樹木のリアル性などを再現した遊行寺境内の画面)
3.汎用的なゲームエンジンを開発環境としてわかりやすく可視化していること。
システムもPCを接続した40インチディスプレイで表示し、ゲームパッドでコントロールできる。
更に、ウォークスルーシステムで宿場町の通りや建物の中にどんどん侵入してゆくことができる。
例えば、今は何も残っていない蒔田本陣などの中にも入って行って屋内の様子を疑似体験できる。
7(実装された3DCGシステム)  (道路幅や看板などを実際により近い景観画面)
これらの改良されたシステムは、より正確な藤沢宿3DCGとしてふじさわ宿交流館で段階的に実装公開が予定されており、多くの市民に利用され、宿場町への理解が深まってゆくことが期待される。
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年04月17日