空間に線を引くー彫刻とデッサン展

2019年4月22日  (itazu)

「空間に線を引く」という彫刻家のデッサンに着目した展覧会が平塚市美術館で開催されている。
(会期2019年4月20日~6月9日)
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画家は、三次元を二次元で表現するが、彫刻家のデッサンは二次元から三次元を目指す。いわば三次元の空間に線を引く感性が必要となる。対象の存在感や、ものの粗密を表現する線で、そこには、画家のデッサンにはない表現要素がある。
本展は、プロローグとして橋本平八から始め、具象、抽象の現代彫刻家20人のデッサンと、それに関連する彫刻が展示され、その魅力と創作の秘密に迫ろうとする意欲的な試みである。
彫刻家の描くデッサンと、それに関連する実際の彫刻を同時に見ていると、作品や作家への理解を一層深めることが出来る。
2青木野枝 「無題」(オイルパステル)     「天蓋 2018-Ⅱ」「雲谷 2018-Ⅰ」(コルテン銅)
 
3舟越直木 「Drawing」          「The Ace of Heart」
 
4若林奮「1997.07.17-8.23」        「自分の方へ向かう犬Ⅰ」
5舟越桂「《水に映る月蝕》のためのドローイング」      「水に映る月蝕」
本展の初日(4月20日)に出品作家によるリレーギャラリートークが行われた。大勢の参加者で会
場があふれかえるほどの盛況であった。
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「空間に線を引く」という言葉には、今までにない、新しいものを創造してゆくというイメージ
を感じさせるものがあり、展示された20人の作家の作品群も瑞々しい。
作品は、デッサンと彫刻を関係づけなくとも、それぞれ独立に十分楽しめる。
7柳原義達「道標・鳩」               砂澤ビッキ「午前三時の玩具」
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年04月24日