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趣 味・歴史

 続・湘南のお地蔵さま-2 『金剛窟地蔵』 

2017年2月1日  (記事:江ノ電沿線新聞2月号)
『金剛窟地蔵(こんごうくつじぞう)』 鎌倉市 浄明寺  中島淳一

ozizousama 2 金剛窟地蔵(こんごうくつじぞう) 

  鎌倉駅から金沢八景行バス「浄明寺」で下車し、近くの華の橋を渡ると、竹林の庭で有名な報国寺がある。
さらに百メートル程進み、「巡礼古道」の小さな道標を見つけたらその細い道を左へ入る。
  この巡礼古道とは、坂東三十三観音霊場めぐり第一番札所の杉本寺と第二番札所の逗子岩殿寺を結ぶ道である。
  道はすぐ階段となり、武骨なネットフェンス沿いに左へ登ると急に細い山道となる。足元に注意して進むと、道脇の斜面に無造作に板碑が多数置かれている。 
   五分程進むと左側に少し開けた土地が現れる。この辺りは、昔報国寺に関係する地蔵堂があったと伝わる場所で、右側の斜面に、中世の墓地「やぐら」が突如現れる。鎌倉には多く存在するが、このやぐらは金剛窟(こんごうくつ)と呼ばれ、等身大の立派なお地蔵さまが奥の岩壁に彫られている。この像が金剛窟地蔵である。
だいぶ風化が進んではいるが、足先まで丁寧に彫られ、また両手の表現や衣の流れもしっかり感じ取れる、存在感あふれる立ち姿のお地蔵さまである。
  この地域は宅間ケ谷(たくまがやつ)と呼ばれ、中世の絵師集団宅間派と関連があると伝わるが、果たしてこのやぐらには、誰が葬られたのか。そっとお地蔵さまに聞いてみたい気がする。

※江ノ電沿線新聞2017年2月号掲載コラムをえのぽに転載しました。 

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