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趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま-14 『境地蔵』

2018年2月2日  (記事:江ノ電沿線新聞2月号)
          『境地蔵』葉山町 木古庭 中島淳一          
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 逗子駅から衣笠駅行きのバスに乗り、二十五分程で大楠山登山口に着く。
信号を渡ってそのまま緩やかな坂道を少し進むと、トタン屋根の小さなお堂に安置されるお地蔵さまに会える。
 この葉山町木古庭(きこば)という地域は長屋門を持つ大きな旧家がいくつもあり、また中世にまで遡る石造物や史跡も点在する歴史の香り立つ場所である。このお地蔵さまも、葉山町と横須賀市とのちょうど境に祀られることから、横須賀市では「境地蔵」、葉山町ではこの地区の小字名から「やぶ地蔵」と呼ばれている。
 お地蔵さまの前を通る道は、古代において「古東海道」(大昔の東海道はこの先の横須賀市走水から海路で千葉に続いていたそうである)中世には「鎌倉道」近世には「浦賀道」と呼ばれた重要な古道で、周辺の小さな竹林や竹垣には、今もなおそれを納得させる雰囲気が残る。180202 kikoba
 江戸時代享保年間(一七一六~三六)に建立されたお地蔵さまだが、長年にわたる風雨と、古道を往来する多くの人々の祈願成就に我が身を削ったためか、全身の傷みも目立ち、お顔も造り直され、またお体と蓮台との区別もつきにくい。しかし千年を超える古道の
歴史を、土に還りつつある自らのお姿で語り伝えてほしい。
※江ノ電沿線新聞2018年2月号掲載コラムをえのぽに転載しました。
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