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趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま-17『白石地蔵』

2018年05月02日  (記事:江ノ電沿線新聞5月号)
    『白石地蔵』 箱根町 箱根湯本 中島淳一     
shiroishi白石地蔵
  観光地箱根の玄関口箱根湯本駅を出てすぐ先のガードをくぐり、線路沿いに坂道を少し上ると、左側に白石(しらいし)地蔵が祀られている。山肌から彫り出した二メートル程もある磨崖仏である。  その名の由来ともなった通称「白石」というこの地域特有の地層は、約四十万年前に箱根火山が活動し始める前の時代のもので、元々は海底にあった白くて柔らかい地層が隆起し、標高約百メートルの箱根湯本に現れたものである。近代以降建材としても利用され、近隣の老舗旅館「萬翠楼福住」の外壁にも使われている。  この白石はその特性として彫刻しやすいが風雨には弱く、この地蔵尊も当初のお顔や手足の様子などは想像するしかないが、どっしりとした重量感と存在感は今でも参拝者を圧倒する。鎌倉時代に作られたと考えられており、箱根町の文化財に指定されている。  「白石」という自然が生み出した地蔵尊ゆえ、夏は緑鮮やかな衣を、そして秋には紅葉の錦を身に纏う。その姿は四季の訪れに感謝し、感動する心を失った私たちに、我が身をもってその移ろいを伝えている。自然豊かな箱根の地にふさわしいお地蔵さまである。
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