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趣 味・歴史

遊行かぶきの誕生の由来

2018年9月18日  (Itatsu)

遊行フォーラムでは、遊行大学特別講座として、演出家白石征氏による 「新芸能論」を開催している。

ー遊行かぶきはどのように生まれてきたか。その地域芸能の可能性についてー

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遊行かぶきは、藤沢市の劇団「遊行舎」(脚本・演出家・白石征さん主宰)が、伝統文化の再発掘を目的に、語り芸のルーツといわれる説経節を現代的な解釈の中でよみがえらせた、いわば「街の中の演劇」である。
1996年に遊行寺本堂で「小栗判官と照手姫」を初上演して以来、「しんとく丸」「さんせう太夫」などの説経節を中心とした作品を毎年上演し、さらに寺山修司作「中世悪党伝」、白石氏書き下ろしの新作「一遍聖絵」も公演されてきた。最近では、寺山修司作の「瓜(うり)の涙」や「雪之丞変化」など説経節以外の大衆演劇の作品も加えて、地域へ芸能文化を発信してきています。今年で22年目を迎え、遊行かぶきは今や、地元の演劇として定着し、市民の楽しみの一つになってきている。
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 今回の講演では、白石さんが、遊行かぶきの最大のモチーフである中世説教節を劇化するにあたって、最も大きなモベーションになったという、戦前の日本時代劇映画のエートスについてのお話しでした。
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(講座は、映画の抜粋を鑑賞しながら進められた)
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初期の時代劇映画は、歌舞伎の舞台を屋外に移して撮影するといった程度の段階から、牧野省三を皮切りに多くの新進気鋭の作家によって、新しいリアリズムの表現に推移していった。伊藤大輔(忠治三部作、丹下左膳)、山中貞雄(人情紙風船)、伊丹万作(国士無双)、マキノ雅弘(続清水港)等。
旧来のスーパースタ―を主人公とする大衆芸能の枠組み解体し、武士社会からはじき出された浪人が、悲惨な理不尽な境遇に向かって出口のない絶望的な犯行に走るといった現実のリアルな人間として描き出すなど、映画という新しいメディアに、芸能の水脈を再生させた。
この時代劇映画の新しい試みが白石さんの遊行かぶきの中世説教節の劇化のモチベーションになって「遊行かぶき」は誕生した。中世の民衆の出口のない日常の拘束から死者や神仏との共生によって再生させる説教節の救済劇が、現代の「街の中の演劇」として蘇えることになる。
この講座は、下記日程で二回以降つづく。

第一回9月9日(日)14-16時藤沢公民館
「芸能ルネッサンスー昭和初期の時代劇映画の黄金時代、敗者の想像力」

第二回12月2日(日)14-16時済美館(予定)
「説教節と無常観ー戦後時代劇映画の光芒」

第三回1月16日(日)14-16時済美館(予定)
「芸能としての一遍上人ー踊念仏と女人崇拝」

また

遊行かぶき「一遍聖絵」の公演が、2019年3月8日(金)~10日

に決定している。
<講座、講演の問い合わせ→遊行フォーラム事務局 0466-25-8939(山本雅博)>
 
markenopo 2018年9月18日