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趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま 『いとこ地蔵』

2019年04月05日  (江ノ電沿線新聞4月号)
190405 itokojizouいとこ地蔵
 大正十二年九月に起きた関東大震災では秦野市も大きな被害に見舞われ、市内の震生湖もこの時に現れた湖である。今回紹介するお地蔵さまもこの大地震が生んだ悲しい出来事に由来する。 
 秦野駅からバスで十分程の御獄神社入り口で下車、すぐ先の名古木(ながぬき)宮前交差点を左へ入り、突き当りを右へ。次の岐れ道を左に百メートル程進むと、右側に四基の石造物があるのでその道へ。途中の「玉伝寺」案内看板に従い五百メートル程畑の中の坂道を登り、寺の前を過ぎ真っ直ぐ進むと広場となるが、その右奥の一段高い場所に、由来の碑と共に「いとこ地蔵」が祀られる。バス停から十五分程の巡礼旅である。
 その名の由来は碑文等によると、地震発生当時、玉伝寺は小学校の仮校舎として利用されていたが、その裏山が高さ五十メートル巾七十メートルにわたって崩れ、女の子と農事作業中の若い男性が犠牲となった。この二人がいとこ同士だったので、供養のため後にこの双体の地蔵尊が建立されたと伝わる。共に合掌するお姿で、短い生涯を過ごした名古木の地を見守っている。あの大震災からまもなく百年となる。以前紹介した「寛子地蔵」や、この「いとこ地蔵」が私たちに訴える声に耳を傾け、穏やかな新しい時代を迎えたいと心より願う。
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