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趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま(31)『関本地蔵』

2019年7月8日  (江ノ電沿線新聞)

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 『関本地蔵』南足柄市 関本        中島淳一
今回は湘南を代表する街道「東海道」の脇街道「矢倉沢(やぐらさわ)往還」のお地蔵さまを紹介する。小田原駅から伊豆箱根鉄道大雄山線に乗り、終点の大雄山駅で下車。「金太郎」像の歓迎を受けつつ駅前の道を右へ約三百メートル進み、竜福寺交差点を左に入ると緩やかでまっすぐな上り坂の道となる。この道は江戸と沼津を結ぶ古道矢倉沢往還で、この辺りは関本宿と呼ばれ、江戸の頃まで旅籠や高札場、本陣などが並び、また大雄山最乗寺(道了尊)の門前 町としても賑わった。今は静かな住宅街だが、当時から使われていた水路が今も残っており、地元有志の作った説明板と共に宿場町の面影が偲ばれる。
 先の交差点から四百メートル程の左側にまだ新しいお堂があり「関本地蔵」が安置される。江戸時代には街道沿いの地蔵堂に祀られ、子育延命地蔵として信仰されていたようだが、流転の末現在の場所に安住の地を得たのである。
 袈裟を着け右手に錫杖、左手に宝珠を持ち、二重円光背を伴って四角い台座に坐す。お顔には微笑を浮かべ大きな福耳が印象的だが、お体も丸みを帯び幼な子の様なお姿である。古代から続くこの宿場町の歴史を語り継ごうとする人々がここには居る。そしてお地蔵さまはその人々の心に寄り添い、共にこの町を護り続ける。
 
  
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