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趣 味・歴史

「江戸の遊び絵づくし」展ー茅ヶ崎市美術館

2019年9月12日  (itazu)
茅ヶ崎市美術館では、江戸の絵師と版元が趣向を凝らして手掛けた、ユーモアとウィットにあふれた遊び絵の世界を取りあげ、謎解き、隠し絵、文字絵などを展示しています。会期は、2019年9月7日(土)~11月4日(月・休)。
0入口の案内ポスター                     会場風景  
 
町人文化が花開いた江戸時代、浮世絵は大いに人気を博しました。浮世絵は、美人画、役者絵、名所絵などが注目されますが、本展では、遊び絵に焦点をあてその魅力を紹介してています。遊び絵 111点が集められており、見て、読んで、触ることで、当時の人々がどのように遊び絵を面白がり、親しんでいたのかを想像することができます。
     
遊び絵の世界は、次の7つの章で展示構成されています。

1章:よって、たかって、こしらえる

たくさんのものや人を寄せ集めて人物や鳥獣を形作る浮世絵を「寄せ絵」といいますが、 斬新な造形と豊かな発想に驚かされます。
 
1歌川芳藤「五拾三次之内猫之怪」(左)   歌川国芳「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」(右)
 

2章:ふしぎなからだ 合体・あべこべ・顔三つ!?

人物のイメージを複雑に重ねて構成した「だまし絵」。本章では、絵の上下を逆さにすると別のイメージが浮かびあがる「上下絵」、絵の一部のような作品に 顔や体を潜ませた「隠し絵」などが展示されています。
 
2「だまし絵」の体験模型:顔を回すと「げどう」(上)になったり「だるま」(下)になったりします(左)
 歌川貞景「五子十童図」(右)

3章:幸せはこぶラッキーアイテム
誰もが抱く願いを応援する七福神は大変身近な神様です。七福神が描かれた作品をはじめ、運気が高まる時期を視覚化した「有卦絵」など、江戸の庶民の素朴な信仰を感じ取ることができます。
 
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歌川芳藤「有卦絵 ふ尽しの福助」 (*有卦絵(うけえ):陰陽道で有卦(幸運の年)に入った人を福の「ふ」のついたものを描いて祝った。この絵も「ふ」のついたものがいろいろ隠されています。)
 

4章:チャレンジ! 江戸っ子と知恵くらべ

江戸の庶民はクイズやなぞなぞのような謎解きを好みました。輪郭線に組み込まれた文字を見つける「文字絵」、 カレンダーの一種で絵の中に隠された月の数字を探す「大小暦」、絵や文字から意味を読み解く「判じ絵」など、謎解きを楽しめる浮世絵。
 
4二代 歌川広重(歌川重宣)「しょく類はんじ物 上戸」(左)
遊べるように設置された謎解きコーナーの仕掛け展示(右)

5章:身振り手振りでこれな~んだ?

江戸時代、現在のように自分の体と身近な 道具を使った物真似がありました。宴会の余興などで流行し、そのお手本にされたのが「身振絵」。さらに行灯の光を活かした手影絵などのもとになった「影絵」。

6章:みんな大好き♪おもちゃ箱

子供たちが遊ぶために作られた浮世絵「おもちゃ絵」
5(5章)歌川広重「新板かげほしづくし(からす ほか)」(左)
(6章)歌川芳藤「しん板猫尽両めん合」(右)

7章:人も世相も茶化しちゃえ! 戯画ワールド

「戯れに画く」絵は、生き物を擬人化した作品が多く、一見ほのぼのとした表現には風刺精神が潜まれ、庶民の共感を呼びました。
6歌川国芳「朝比奈小人嶋遊び」
最後の絵は、巨人が小人の大名行列を見ています。「ガリバー旅行記」を思わせる戯画であるが、浮世絵にもこんなに楽しい世界があったことを知ることができるとともに、現代の我々が、とうに失ってしまった大切なものを思い出させてくれる貴重な展覧会です。
本展の公式ホームページはこちら
http://www.chigasaki-museum.jp/kaisaichu/
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年9月11日