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趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま(35)『走水地蔵』

2019年11月5日  (記事:江ノ電沿線新聞11月号)
『走水地蔵』      横須賀市 走水   中島淳一
191107 hasirimizu jizou走水地蔵 (はしりみずじぞう)   
 今回は初めて横須賀市のお地蔵さまを紹介する。京浜急行馬堀海岸駅よりバスで八分程の走水(はしりみず)神社で降りる。この辺りは昔懐かしい風景が今も残る、潮の香りが心地よい漁村である。道路を渡ると正面に走水神社が見える。日本武尊(やまとたけるのみこと)と弟橘媛命(おとたちばなひめのみこと)を祀る神社で、この二人の死をも恐れぬ夫婦愛の神話は今でも有名である。
 神社から左へ七十メートル程進み、今回紹介する地蔵尊の説明板手前の道を右へ百メートル程行くと、崖の斜面が四角く刳り抜かれ、二体の石のお地蔵さまが安置される。江戸時代に造られたという走水地蔵である。詳しい由来は定かでないが、二体とも右手に錫杖、左手に宝珠を持つ通例のお姿で、蓮台の上に立つ。お顔立ちは風雨のためにうっすらとしかわからないが、今でも近隣の人々の供養と信仰は続いているようである。
 バス通りに戻り海岸沿いを歩いていると別の石仏を目にしたが、長年にわたる潮風の影響か、やせ細って尊名すらわからない。走水地蔵がなぜ人通りの少ない山裾の崖に祀られているのかが、地域の人々の愛情の深さと共に理解できたような気がした。
 
 
  
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