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趣 味・歴史

「城田圭介 ー写真はもとより PAINT,SEEING PHOTOSー」展
ー茅ヶ崎市美術館

2019年12月21日  (itazu)
写真と絵画を用いた独自な表現手法で知られ、海外にもコレクターが多く注目を集めているアーティスト、城田圭介の国内の美術館における初めての個展が茅ヶ崎市美術館で開催されている。会期:2019年12月14日(土)~2020年2月11日(火・祝)
写真と絵画を用いた多様な作品約200点以上が展示されている。

城田の制作は、何気なく撮影されたスナップ写真を基点とし、
◆その周囲に拡がっているかのような架空の風景を描き足す絵画作品
1<A Sence of Distance #12>                             <A Sence of Distance #2>  
◆写真上の人物をあたかも消すように人物の部分をその背景描写で埋めた写真作品(写真下左)
◆写真に写り込んだ人物だけを抽出し、油彩で描いた新作(写真下右)
2<Background #6>                                <August 15, 2018 (Nijubashi Bridge) >
を発表するなど多様な展開を示します。 作品はいずれも写真をもとに制作されている。
城田は、制作の動機について次のように述べている。
「私はこれまで写真と絵画を使って制作を続けてきました。その制作はいつも写真を「見る」ことから始まります。誰もが日常的に撮り、見るようなごくありふれた写真............そのような写真が膨大にあり、日常や社会に浸透している。(これらの写真の)速度や量は、時に見返すことすら困難にさせますが..........そのような写真を見る視線や行為に実感を得たい。それは日々の生にリアリティを求めることに等しい。「見る」という視線自体は不可視なものですが「描く」という可視的な痕跡が加わることで「見る」という見えない行為をより意識的に感じたい。」(会場案内による)

12月14日アーティストトーク 城田圭介氏が自身の作品を解説した。(手話通訳付き)
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◆さらに作品には、
歴史ある建物の風景と一過性の存在ともいえる移ろいゆくものの描写(写真下左)、             
新聞の写真部分にアクリル絵の具を用いてその写真をトレースすることで、その写真に記事を超えた新たな価値を見出そうとする試み(写真下右)など、
その様々な手法や視点は尽きることがない。
4<古代建築と犬のいる風景>     <2012年(平成24年)9月29日(土)国際、地域>
 
展覧会の案内は、下記のように締めくくっている。
「特筆すべきは、城田の作品は、写真に写された風景や絵の具で描かれている人物が、現実的な関係性から切り離され、「何も」そして「誰も」存在していないかのような一貫した静けさをまとっていることです。現在、我々を取り巻く社会において、瞬く間に大量消費される写真。その膨大な情報の波に抗うがごとく、静かに佇み一心に制作する城田の姿勢が特異性をもって浮かび上がります。アー ティスト・城田圭介という他者の眼差しを共有することで、見ること、感ずること、考えることを、鑑賞者 一人一人が自らに問いかける機会となるでしょう。」

城田圭介のProfileは下記の通り
1975年神奈川県生まれ、茅ヶ崎市在住。
2001年東京藝術大学美術学部卒業
2003年東京藝術大学大学院修了
<主な個展>
2004年「A SENSE OF DISTANCE」ベイスギャラリー(東京)
2006年「オーバーラップ」ギャラリー・サン・コンテンポラリー(ソウル)
2008年 ギャラリー・ステファン・ルプケ(ケルン)、ギャラリー・アーネス+ルプケ(マドリード)
2009年 ベイスギャラリー(東京)
2010年 ギャラリー・ステファン・ルプケ(ケルン)
2013年「Tracing / Background」ベイスギャラリー(東京)
<グループ展>
2004年「シェル美術賞展」代官山ヒルサイドテラス(東京)
2005年「VOCA 2005」上野の森美術館(東京)
2007年「Young Japanese Landscape」ヤングアートミュージアム(ウィーン)
2008年「現代写真の母型 写真ゲーム」川崎市市民ミュージアム(川崎)
2012年「フォトリファレンス・写真と日本現代美術」ベオグラード文化センター(ベオグラード)

なお茅ヶ崎市美術館の本展のサイトはこちら→http://www.chigasaki-museum.jp/exhi/2019-1214-2020-0211/
 
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2019年12月21日