続・湘南のお地蔵さま(38)『両面地蔵』
2020年2月8日 (江ノ電沿線新聞)
『両面地蔵』


『両面地蔵』横須賀市 久比里(くびり) 中島淳一
京急久里浜駅東口から浦賀行きのバスに乗り二つ目の夫婦橋で降りる。その先の若宮神社入口交差点から左を見ると、細い道の突き当りに浄土宗の古刹宗円寺(そうえんじ)がある。この寺の山門を入った左側に高さ三十センチ前後のやや丸い石に彫られたお地蔵さまが十体仲良く並んで祀られる。風雨のためお地蔵さま自身の姿がはっきりしないものもあるが、各々個性的な姿である。ただ他の石の地蔵尊と違うのは、その姿が石の両側に彫られており、そのため「両面地蔵」と呼ばれている。横須賀市内では同様の像が吉井の眞福寺や阿部倉の地蔵堂などで確認されている。
宗円寺に伝わる話としては、戦いで失明した有名な武将鎌倉権五郎景政が世の中の光を失った人々と自らの明るい来世を願い、これらのお地蔵さまを自らの手で彫ったという。そのため眼病平癒の参拝が多いとのことである。この寺にはその石柱の根元が地獄につながると伝わる地上二メートルを超える庚申供養塔がある。現世と地獄を往復できるお地蔵さまとしては、その両方の人々を区別なく救うためこの姿となったのだろうか。
宗円寺に伝わる話としては、戦いで失明した有名な武将鎌倉権五郎景政が世の中の光を失った人々と自らの明るい来世を願い、これらのお地蔵さまを自らの手で彫ったという。そのため眼病平癒の参拝が多いとのことである。この寺にはその石柱の根元が地獄につながると伝わる地上二メートルを超える庚申供養塔がある。現世と地獄を往復できるお地蔵さまとしては、その両方の人々を区別なく救うためこの姿となったのだろうか。
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2020年2月8日
