「藤沢今昔」~国道134号沿線の移り変わり

 

「昭和の藤沢」の写真と現在の様子を撮った写真を対比した「藤沢今昔」シリーズの第6回目は、片瀬海岸~辻堂海岸に至る国道134号沿線の変貌です。なお、「昭和の藤沢」は、藤沢のアマチュア写真家・故渡邊廣さん撮影の写真と、電子博物館みゆネットふじさわ経由で閲覧した写真(藤沢市所有)を掲載させていただきました。
国道134号は、その名前が付けられるまでは「湘南遊歩道」と呼ばれていました。この遊歩道は昭和6年に着工され、2車線の自動車道と、両側に歩道が砂防林に沿って作られ、鵠沼~片瀬間には「乗馬道」も設けられるという、画期的な観光道路でした。昭和28年になって、2級国道134号に昇格しました。

国道134号・片瀬橋方向
昭和36年当時、舗装されていたのは車道の中央部のみで、車道周辺部と歩道は未舗装でした。当時道路の海側には江ノ電駐車センター、江の島ヘルスセンター、マリンランド、東急レストハウス、小田急ビーチハウスなどが建っていました。現在はそれらの設備、建物に代わって、「江の島水族館」「マリンランド」「海獣動物園」を1つの建物に集約して、平成16年4月にリニューアルオープンした「新江ノ島水族館」が建って、片瀬海岸(西浜)名所となっています。

 
11.090924 1昭和36年3月
12.090924 2平成21年9月
13.P1020294令和2年3月
引地川河口に架かる鵠沼橋周辺
「湘南遊歩道」と呼ばれていた時代です。写真手前右側が渚橋、奥のやや左に見えるのが鵠沼橋で、共に昭和10年に竣工しました。鵠沼橋は、平成2年の台風の影響で倒壊し、平成6年3月現在の橋に建て替えられました。旧鵠沼橋で使用していた石造りの親柱は、橋のたもとにある橋詰広場に記念碑として残されています。

昭和11年撮影

090924_3

21.090924 4平成21年9月
22.090924 5旧鵠沼橋の親柱
23.P1020307令和2年3月

鵠沼橋を渡り引地川河口の近くにあった鵠沼プールガーデン横の道路
昭和34年当時はまだ「藤沢市営鵠沼プール」でしたが、小田急電鉄が経営を引き継ぎ、昭和36年7月20に「鵠沼プールガーデン」としてオープンしました。鵠沼プールガーデンは平成12年9月3日に営業を終了し、現在は「鵠沼海浜公園スケートパーク」として利用されています。

31.090924 6昭和34年1月
32.090924 7平成21年9月
32.090924 7令和2年3月
鵠沼海岸4丁目と辻堂海岸4丁目との境界付近
湘洋中学校前の歩道橋が設置されている付近の写真です。防風、防砂の松林がよく茂っているのは現在と変わりません。現在、国道134号は片瀬海岸から茅ケ崎柳島までが4車線化されており、相模川にかかる湘南大橋は4車線化の工事中です。この写真の場所から茅ケ崎寄りにある辻堂海浜公園付近の134号は、約2kmにわたるセパレート区間で、保安林の中を東西に向かう車線が別れて走るので、緑の中を滑るように通り抜ける快適で、湘南らしいハイセンスな雰囲気を味わうことが出来ます。
41.090924 8昭和38年5月
42.090924 9平成21年9月
43.P1020310令和2年3月

 

(初掲載 2009-09-21・更新 2020-03-05)