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趣 味・歴史

『六道能化地蔵』

2020年6月7日  (江ノ電沿線新聞)
続・湘南のお地蔵さま(42)『六道能化地蔵』
200607 jizou  『六道能化地蔵』
小田原市 栄町   中島淳一
 小田原駅東口よりバスに乗り大工町で降りる。その名が示す通り、昔はこの辺りには大工の棟梁や職人が多く住んでいたと伝わる。
少し進むと左側に天台宗本源寺がある。小田原城主だった大久保家と関係が深い寺で、境内には本堂の他に不動明王を祀る護摩堂、職人の信仰が篤い聖徳太子堂があり、護摩堂越しに見えるカトリック小田原教会の美しい風景は長崎県平戸の観光スポット「寺院と教会の見える風景」に匹敵すると私は思う。
その参道に「六道能化(のうけ)地蔵」が、紅白の涎掛けと帽子を着け、六体仲良く並ぶ。今は病魔退散のマスクも着用中とのこと。その顔立ちは少年を思わせ、昭和四十年代の造像のようである。いわゆる六地蔵だが「六道能化」の名前をいただき、お地蔵さまの慈悲の心がさらに深まる。
お地蔵さまは六道(すべての世界)に生を受ける私たちすべてをあまさず、もらさず救うため、私たちをよく諭し教え、利益を与える(能化)という誓いをたて、そのために我が身を六道に分身して救ってくださるのである。
あまり馴染みのないお地蔵さまの名前ではあるが「あまさず、もらさず救う」という言葉が、病禍のため誰もが苦しんでいる今だからこそ、すっと心に沁み入る。
 
 
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2020年6月7日