趣  味
 

enopo top moji

趣 味・歴史

続・湘南のお地蔵さま『キリシタン地蔵』

2021年6月8日  (江ノ電沿線新聞)
IMG 1765 2『キリシタン地蔵』 座間市 栗原中央  中島淳一
 小田急座間駅西口よりコミュニティバスに乗り青少年センター前で下車。二百メートル程先を左折すると臨済宗崇福(そうふく)寺が鎮座する。この寺は鎌倉明月院第十一世の仙渓僧才を開山として戦国時代の終わり頃に創建されたと伝わる名刹で、前を通る「ほしのや道」は坂東三十三観音霊場の市内星谷寺と横浜弘明寺を継ぐ巡礼道として有名な古道である。
 この寺の山門手前右脇に珍しい姿の石のお地蔵さまが祀られる。少し首を傾げたお顔には上品な微笑みを浮かべ、右手に宝珠、左手に童子を抱く。江戸時代の文久元年(一八六一)に建立され、子育て地蔵として人々に厚く信仰されているが、その姿からキリシタン地蔵とも呼ばれることがある。
 キリシタン地蔵は近世に信仰を禁止されたキリスト教の信者が、幼いキリストを抱くマリア像を仏像の姿に置き換え、その一部に十字架などを隠し刻んだ地蔵尊のことだが、その作例は少なくこの像にもその明確な特徴は見出せない。
 私は昨年長崎五島列島を訪れ、潜伏キリシタンの信仰の遺産を数多く目にし深く感動したが、お地蔵さまはどんな信仰を持った人にもその心に寄り添い、時にはキリシタン地蔵にも姿を変えると信じて疑わない。

記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2021年6月8日