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藤沢マイスター「機械加工(多能工) 倉田信彦さん」 

2018年6月28日 取材・撮影:hiramechann
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「藤沢市には、極めて優れた技能・技術を有し、市民生活や産業の発展を支える技能者・技術者を、「藤沢マイスター」として認定する制度があります。認定された方々は、市の事業に協力し、講演・実演・体験教室等の様々な形で、技能・技術の披露・伝承を行っています。
平成28年度に8人目の藤沢マイスターとして認定された倉田信彦さんは、さまざまな工作機械を熟知し、依頼者の要望に応じた設計をはじめ旋盤加工から溶接など複数の異なる作業や工程を行う多能工です。長年蓄積した金属加工の技術を基礎に、新分野・新技術の開発にも取り組んでいます。また同業他社の若者を対象とした勉強会を開催するなど、技術の伝承に努め、若者たちにものづくりの楽しさや大切さを積極的に伝えています。(参考:藤沢市HP
 毎年5月に開催される「ふじさわ産業フェスタ」の体験コーナーに昨年から出展し、「金属加工体験をして、ものづくりの楽しさを感じてみませんか!」と呼び掛けています。世代を超えた方々が足を止めて見学し、熱心に説明を聞いていました。
kurata02産業フェスタで説明する倉田さん(画像:藤沢市産業労働課提供)
会場には移動可能な小型の機械を持ち込み、事前申し込みの方に機械加工の指導をしていました。一緒に説明している女性にお聞きしたところ、「女性はこの仕事に向いているかもしれません。できないことは他の力を借りてやっています。」という跡継ぎの娘さんでした。倉田さんは、「マイスターになったことで、今年、新人が入ってくれました!」と、技術が継承されていくことをにこやかに、そしてとてもうれしそうに話されていました。

 後日、市内弥勒寺にある、(有)シンコーを訪問しました。 

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通路の両側に大型機械がずらりと並んでいて、半分パソコン制御、半分人間の手や目の力で調整しています。 
「子供の頃から工場の中で遊んでいて、ものづくりが大好きでした。昔は町工場の様子を窓から覗いたりして身近だったけれど、今は隔離されている感があります。もっと多くの人にものづくりの楽しさを知ってもらいたい。」と話す倉田さんは、工場見学を積極的に受け入れています。J-PARC(大強度陽子加速器施設)の完成に貢献された実績を持っていて、工場内では高度なプログラムで制御された機械も扱う方ですが、語り口は優しく、平易な言葉で説明してくださいます。2年前にマイスターになった際、新聞に載ったのがきっかけで入社したという新人を見守る目も、温かさを感じます。
kurata05新聞報道がきっかけで、インターンシップ後に入社した期待の新人
 下記写真は、翌日行われる市内中学校の職場体験資料と完成品見本です。多重ダイスは、元が15㎜角の真鍮。その中を削って、ダイス(サイコロ)を多重にします。右は、ひょうたんの設計図ですが、非常に細かくて、ものづくりを基本から学ぶことができます。
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ものづくりの楽しさを知っていただくための子供向け講座がありますので紹介します。
 
「夏休み・親子で工場見学と多重ダイス作り!」に参加しませんか?
 日時:7月28日(土)①午前9時30分~午後11時30分、②午後1時~3時
 場所:(有)シンコー    講師:藤沢マイスター倉田信彦氏
 定員:小学3年生以上の子と保護者各回2組(応募多数の場合、抽選)
 ★詳しくは、広報ふじさわ6月25日号 P10参照、または、こちら⇒

編集後記:「他のマイスターの方と話をすると、みんな自分の仕事が好きで、楽しんでいることが伺えます。」と、楽しんでいるのはご自分だけではないことを強調されていました。跡継ぎの娘さんも、「父の技術には、とてもかなわないけれど、ものづくりは楽しい。」と話されています。一番身近な人に伝えることができている技術・知識と楽しさを、これからも変わらない柔らかい口調で、多くの人に受け継いでほしいと思いました。
 
markenopo 2018年6月28日