この記事は当サイト既掲載の「小田急江ノ島線80年今昔」を今年(令和 元年)開通以来90年を迎えるに際し、小田急電鉄に残る資料をもとに更新を行うものです。 |
小田急江ノ島線今昔(1)開業90周年 片瀬江ノ島駅
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_s.jpg) 関東の駅百選に選ばれた片瀬江ノ島駅前駅舎(現在建替え中)
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小田急江ノ島線は相模大野駅を起点として藤沢市の片瀬江ノ島駅までの全長27.6kmを結ぶ江の島への観光レジャー線として1929(昭和4)年4月1日に全線開通しました。長後駅から片瀬江ノ島駅までの13.6kmは、藤沢市民の移動の要として藤沢市の背筋の部分を南北に貫く、文字通り藤沢の屋台骨を背負う交通機関といえるでしょう。また、北は東京都心新宿へ、南は藤沢湘南へとつながる商工、観光の要を担う鉄道でもあります。 江ノ島線は2019年4月に開通以来90年を迎えました。80周年時にえのぽに掲載したシリーズのその後として、江ノ島線の開業から今日までを小田急電鉄に残る資料をもとに改めて振り返ります。 |
_s.jpg) 1929年開業時の大橋からみた片瀬江ノ島駅 |
*江ノ島線の開業と同時に現在の藤沢市域に開設された駅は、新長後(後に長後)、六会(後に六会日大前)、藤沢本町、藤沢、本鵠沼、鵠沼海岸、片瀬江ノ島の7駅でした(湘南台駅は1966年11月7日新設、善行駅は1960年10月1日新設)。
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_s.jpg) 1978年の長後駅上り線の電車 |
*江ノ島線開業以来の乗降人員の推移と運賃の推移を見てみます。乗降人員の推移グラフよりわかるように鉄道沿線の開発に伴い乗降人員が飛躍的に伸びています。1970年より前は統計的な資料が少ないためブランクの駅もありますが、1970年以降は全駅の資料が残っています。
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乗降客数の推移
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*初乗り運賃は1929年の大人5銭、小児3銭から終戦後1948年に大人3円、小児2円に変わり1975年まで対キロ制で設定されていました。1975年から全線対キロ区間制が導入され現在までこの制度が適用されています。対キロ区間制では距離対運賃が詳細に設定されており、1984年には乗り継ぎ運賃制度の導入が実施されています。1988年には特定都市鉄道整備積立金制度が適用され初乗り大人10円の値上げが行われました。 |
初乗り運賃の推移
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*藤沢・新宿間を最速58分で結ぶ快速急行は2004年に登場し、2016年以降は日中20分間隔運転となり便利になりました。また2018年からは地下鉄千代田線北千住から片瀬江ノ島まで直通する特急ロマンスカー「メトロえのしま」号の運転も始まりました。2019年には江ノ島線開業90周年記念イベントとして記念トレインの運行、記念乗車券の発売、スタンプラリーなどが行われ、江の島を彩る光と色の祭典「湘南の宝石」に合わせて臨時特急「湘南の宝石」号も成城学園前から片瀬江ノ島まで運転されています。 |
 開業90周年記念トレインの装飾 |
次回から藤沢市を貫く小田急江ノ島線の各駅ごとの移り変わりを見たいと思います。
(参考文献 小田急株式会社のご厚意により各種資料の提供をいただきました。) |
(市民記者 TOMU 2009年11月 更新2019年12月*の箇所 大石) |