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善行雑学大学『植物たちの生存戦略~花・実・葉っぱの戦略』

2020年2月25日(取材・記事:Tanbakko)
2月16日開催の善行雑学大学第249回講座のテーマは『植物たちの生存戦略~花・実・葉っぱの戦略』でした。講師は植物生態学が専門の多田多恵子氏。現在は、国際基督教大学、東京農工大学、立教大学、早稲田大学で教鞭をとるかたわら、NHKラジオの子ども電話科学相談の回答者としてもおなじみです。
今回の講演では巧みな比喩と沢山のスライド画像を用いながら、植物たちの生き残り戦略や、虫・鳥・動物との関係を分かりやすくお話しいただきました。
tada 11最初に簡単な実験。五感を駆使して植物の知恵や不思議を体感。 
 
最初に、多田講師のもってきた2種類の葉っぱに触ったり透かしたりして、葉っぱがそれぞれに個性を持っていることを体感しました。見るだけではなく、触ったり匂いを嗅いだりして、私たちの持つ五感をフルに活用していくことにより、自然のふしぎを体感することができることを学びました。
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植物は虫や鳥や動物たちを巧みに使って花粉を運ばせています。多田講師は花をレストランに例えてその生態を分かりやすくお話しくださいました。花のレストランのごちそうは「蜜」と「花粉」。「花びら」や「香り」は広告です。オープンなつくりでどんな客でも着陸できてごちそうも食べやすい花は「ファミリーレストラン」です。つくりが立体的で外から見てごちそうの見えない花は、特定の客だけを招き入れる「会員制のレストラン」です。この比喩は面白いですね。
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脚が弱くて口も短いハナアブや甲虫はファミレスに好んで集まります。脚力が強いハチや口が細くて長い蝶や蛾などは専門店タイプの花に集まります。また、キノコや動物の死体に化けて虫をだまして花粉を運ばせる「ぼったくり店」もあり、花のレストラン街も多種多様です。
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受粉して実を結んだ植物は種子を旅に出します。旅の方法は風を利用する、水に漂って運んでもらう、鳥や動物に食べてもらって運んでもらうなどいくつかの方法があります。
鳥や動物に一度に食べられたら一カ所にまとめて出されてしまうので、食べる量を制限して少しずつ何回にも分けて運んでもらう工夫をします。例えば、毒を仕込むとか、少しずつ熟させたりします。それを「ちょっとだけよの法則」と呼んでいます。この呼び名も面白いですね。
 
tada 16タンパク質分解酵素を果肉にしのばせて動物の食べ過ぎを防ぐ。「ちょっとだけよの法則」の一つの事例です。
講演の最後に、鹿の多い島・金華山、伊豆の天城山、屋久島などの写真を紹介し、草食動物による食害の実態をお話しいただきました。都市への人口集中と山間部の過疎化といった人間生活の変化が自然の生態に影響を与えているとのことで、自然のすばらしさを守る活動が求められていることを実感しました。

【講演を聞いて】
美しいスライド画像を使って、植物たちの「したたかな」生存のための戦略をお話しいただきました。全てを伝えることができないのは残念です。多田講師は、NHKラジオのこども電話科学相談を初めとして、こどもやおとなが植物や自然科学を身近に親しめるよう啓蒙活動にも力を入れておられます。

本も多く出版されていますので紹介しておきましょう。
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興味のある方はお手にとってご覧になってはいかがでしょうか。お子さんやお孫さんへのプレゼントにも最適かもしれませんね。

※「©Taeko Tada」の文字が載せてある5枚の画像は多田氏の了解を得て掲載しています。著作権は多田氏にありますので、無断転載を禁じます。
  
善行雑学大学のホームページ⇒https://zengyo-zatsugaku.jimdofree.com/
    
記事編集に際しては諸権利等に留意して掲載しております。   markenopo 2020年02月25日