「諸行無常偈」が刻まれた庚申塔

2021年1月22日  sumire/gantyan
「ア・バン・ウン」・「諸行無常偈」が刻まれた庚申塔。
平塚市東八幡一丁目にある長善寺(浄土宗)の本堂前に立つ、寛文10年(1670)建立の立派な唐破風笠付庚申塔です。
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下部には、「言わざる・聞かざる・見ざる」の横並びの三猿が鎮座し、塔の両側面には堂々とした浮き彫の蓮が彫られています。
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正面上部に梵字「ア・バン・ウン」と日輪・月輪が刻まれています
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塔正面に「奉造立庚申供養二世安楽所」
左右には『涅槃経』(ねはんぎょう)に説かれる『諸行無常偈』(しょぎょうむじょうげ)・『雪山偈』(せっせんげ)ともいう偈頌(げじゅ)。
 
諸行無常(しょぎょうむじょう)…すべての存在は移り変わる

是生滅法(ぜしょうめっぽう) …是がこの生滅する世界の法である

生滅滅已(しょうめつめつい) …生滅へのとらわれを滅し尽くして

寂滅為楽(じゃくめついらく) …寂滅をもって楽と為す

が刻まれています。
 全ての存在は常に変化し生じては滅びるものであり、
 欲や執着がなくなれば、心の安楽が得られるという。
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雪山偈のものがたり

「雪山童子」(せっせんどうじ)の説話に出てくるものがたりで、法隆寺の国宝「玉虫厨子」須弥座絵の左側面に「施身聞偈図」が描かれている。

施身聞偈図(せしんもんげず)

釈迦の前世の説話をもととした絵画で、雪山童子が修行をして羅刹(らせつ)の姿をした帝釈天から(諸行無常 是生滅法)の前半を聞き、残りを聞くために自らの身を捨ようとする場面です。

*俗説に「いろは歌」は「雪山偈」を和訳し、歌にしたものと言われています。

*雪山偈のものがたり」はウイキペディア情報からの参照文と画像です。


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