江の島の植物・常緑低木≪マルバグミ(丸葉茱萸)≫

2015年11月18日  (写真&文:坪倉 兌雄)
 marubagumi 1江の島の岩場に茂るマルバグミ

江の島の植物・常緑低木≪マルバグミ(丸葉茱萸)≫ 
Elaeagnus macrophylla グミ科グミ属

マルバグミは福島県以西、四国、九州、沖縄の海岸近くに分布し、江の島では海沿いの藪の中や、参道わき、江の島大師境内、龍野ヶ岡自然の森などに生育しています。
常緑低木で、枝はつる状にのび、高さは2~4㍍、樹皮は灰褐色を呈しています。葉柄には褐色の鱗毛があり、長さは1~2.5㌢、葉は互生して長さ5~10㌢、幅は3×7㌢の広楕円形、濃緑色で光沢のある革質、ヘリはやや波打ち、基部は丸く先端は急に細くなって尖り、裏面は銀白色の鱗毛に覆われます。10~11月、葉腋に筒状の萼の先端が4裂した黄白色の花をつけます。花柄の長さは5~10㍉、花は2~3個垂れ下がって開き、花の外側や花柄には銀白色の鱗毛が密生します。子房は萼筒の基部にあり、花のあと萼筒の下部が膨らんで果実になります。果実の長さは1.5~2㌢の長楕円形で、4~5月に赤く熟して食べられます。
 marubagumi 210~11月葉腋に黄白色の花を開く  marubagumi 3花のあと萼筒の下部が膨らみ果実になる
marubagumi 4果実は偽果で4~5月赤く熟す marubagumi 5光沢のある緑濃色で広楕円形 marubagumi 6葉の裏面は銀白色でへりは波打つ 
名前の由来はグミの仲間で、葉が丸いことからマルバグミ(丸葉茱萸)、葉が他のグミに比較して大きいことからオオバグミ(大葉茱萸)とも呼ばれています。グミの語源はクミ(木実)で、これに漢語の茱萸(しゅゆ)を当てた、とする説があります(語源辞典より)。ミカン科の呉茱萸(ご・しゅゆ)は中国原産の落葉小高木で、茎や葉に軟毛を密生し、果実はグミと同じ赤色ですが形は全く異なります。同じ海岸近くに生えるマルバアキグミはアキグミの変種とされ、4~5月に開花して果実は10~11月に赤く熟します。江の島でみられるグミの仲間には、10月頃に小さい実をつけるアキグミがセンタープロムナードで、ナツグミは北緑地広場で6月頃に熟し、ナワシログミやトウグミはサムエル・コッキング苑や江の島大師の境内などで実は5月頃に熟します。グミの実は生食できますが、ジャムや果実酒としても利用できます。