江の島の植物 (2)
 

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 江の島の植物・常緑高木≪クロマツ(黒松)≫

2016年12月14日  (写真&文:坪倉 兌雄)
 Pinus thunbergii  マツ科マツ属                                         kuromatu-1江の島のサムエル・コッキング苑より
クロマツは本州、四国、九州に分布する常緑高木で、潮風や乾燥に強く、海岸沿いを中心に広く自生し、また防風林としてよく植栽されます。江の島では、広場や公園、龍野ヶ岡自然の森、海岸沿いの岩場などで普通に見ることが出来ます。雌雄同種で、樹高は20㍍以上の高木になり、若木の樹皮は灰黒色で、高木になると亀甲状の模様になります。葉は針状で横断面は半円形、2葉性で長さは5~10㌢の針状でかたく先端は尖り、基部は褐色のさやにおおわれます。開花は4~5月、雄花は新枝の基部に多数群がってつき、長さは1.5~1.8㌢の長楕円状円柱形、雌花は新枝の先端に1~3個つき紫紅色でほぼ球形。果実は球果で、翌年の10月頃に成熟し、長さ5~7㌢の卵状円錐形で淡褐色。種子は長さ5~6㍉の倒卵形で、それより長い約1.5㌢の翼がつき、風にのって散布されます。 
 kuromatu-2今年伸びた枝の先端に雌花が2~3個つく    kuromatu-3群がってつく雄花  
kuromatu-4葉は半円形で2葉性 kuromatu 5青い球果(果実) kuromatu-6種が飛び出した後の古い球果  
他の植物が生育できそうにない海辺の岩場や崖っ縁など、厳しい場所にしっかりと根を張るクロマツを見ると、何故か感動をおぼえます。マツは菌根性樹木であり、土壌養分の吸収は菌根菌を介して行います。したがって痩せ地でよく成長し、植生遷移の先駆植物としても知られていますが、下草や柴などが茂り土地が肥沃化すると菌根菌の減少を来すことから、病虫害の被害を受けやすくなり、生育にも影響を及ぼすと考えられています。仲間のアカマツ(赤松)は、北海道西南部から本州~九州の内陸部の山野に分布し、樹皮が赤褐色~黄褐色で浅く、葉が針状で柔らかく素手で触っても痛くありません。秋の代表的な味覚にマツタケがありますが、これはアカマツの根に寄生する菌根菌の菌糸が伸びたものです。クロマツの名は樹皮が黒いので黒松、葉が堅いので男松(おまつ)とも呼び、アカマツは樹皮が赤いので赤松、また葉が柔らかいことから女松(めまつ)とも呼ばれています。ちなみに藤沢市の「市の木」はクロマツです。
check 2018年5月31日