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 江の島の植物・常緑小高木≪ツカミヒイラギ≫

2017年4月12日  (写真&文:坪倉 兌雄)

ツカミヒイラギOsmanthus heterophyllus var undulatifolius   モクセイ科モクセイ属 

サムエル・コッキング苑のツカミヒイラギ(2016.12.07)サムエル・コッキング苑のツカミヒイラギ(2016.12.07)ツカミヒイラギ(つかみ柊)は、イギリスの貿易商サムエル・コッキング(1845~1914)が収集したとされる常緑の小高木で、江の島サムエル・コッキング苑で見ることができます。この原木の名は昭和8年に故牧野富太郎が命名したとされ、学術上貴重な存在であることから、藤沢市市指定天然記念物(1971)に指定されています。樹高は約2.5㍍で幹回は約0.5㍍。葉は対生し、革質で表面には光沢があり、裏側は薄緑色を呈します。ふちは不規則な波状で、やや反り返ります。葉柄は0.7~1㌢、葉身の長さは3~4.7㌢、楕円形または倒卵状楕円形で、先端の形状は尖ったもの、丸いもの、いびつなものなど色々です。ヒイラギとは異なり、ふちに刺状の鋭い鋸歯はなく、触ったり掴んだりすることができます。11月下旬に葉腋に白い小花を束生、花冠は直径4~5㍉で、4深裂して裂片は反り返るように開き、雄しべの長い花糸が2本花冠から突き出て葯が目立ちます。

11月下旬、葉腋に白い花を束生する11月下旬、葉腋に白い花を束生する葯が目立ち、中央の緑色の部分は子房葯が目立ち、中央の緑色の部分は子房
ツカミヒイラギツカミヒイラギ葉の裏側葉の裏側ヒイラギには鋭い鋸歯があるヒイラギには鋭い鋸歯がある
中央には雌しべがあり、花柱下部の緑色の部分は子房で頂上は柱頭です(写真参照)。子房は大きく発達することなく、翌年の1月中旬頃までにはほとんどが脱落します。ツカミヒイラギの名は、ヒイラギ(Osmanthus heterophyllus)の変種で、ふちに刺状の鋭い鋸歯がなく、つかんでも痛くないことから「つかみ柊」になったとされています。ヒイラギの葉は革質で光沢があり、葉脈は木質化して伸び2~5対の棘となりますが、老木では先端を除いて全縁のものが多く見られるようになります。ヒイラギの名は、葉の鋸歯が鋭く尖り、触ると痛む(疼ぐ)ことから「疼・柊(ひいら)木」と呼ばれています。この棘のあるヒイラギの葉は邪気を追い払うとし、節分の夜に魔よけとして門にさす風習もあります。
check 2018年5月31日
 
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