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江の島の植物・ピラカンサ

2017年11月12日 写真&文: 坪倉 兌雄

pirakansa1亀ヶ岡広場の海側にて(10月中旬)
ピラカンサ(Pyracantha)はバラ科のトキワサンザシ属の総称で、アジア、ヨーロッパに数種が分布していますが、わが国ではトキワサンザシ、ヒマラヤトキワサンザシ、タチバナモドキの3種がよく栽培されています。いずれも常緑低木で、明治から昭和の初期に渡来したとされており、秋から冬場にかけて、鮮やかな赤や黄色の実がよく目立ちます。
改良品種も多く出回っており,個々の同定は難しく、ここでは赤い実をつける「ピラカンサ」で紹介させていただきます。江の島では海辺の藪の中や住宅の庭先などで、赤い実をつけるピラカンサを見ることができます。高さは2~4㍍になり、葉は互生、短枝に束生し、長さ2~4㌢の倒披針形または狭倒卵形でふちに細かい鋸歯があります。表面は暗緑色で光沢があり、両面とも無毛。葉腋には刺がつきます。5~6月、短い枝の先に散房花序をだし、直径約8㍉の白色5弁花を多数開きます。花弁と萼片は5個、雌しべは4~6本、雄しべは約20本あります。
pirakansa24月の下旬には花の蕾が多数
pirakansa35~6月葉腋に白い花をつける
pirakansa4束生した葉に細かい鋸歯
pirakansa5花は5弁花
pirakansa6実の先端に萼片が残る
果実は偽果で長い果柄の先につき、直径6㍉の球形、9~10月に鮮紅色に熟して先端に萼片が残ります。この赤い実は2月頃まで、長期間楽しむことができます。ピラカンサは常緑低木でよく生育し、寒さや暑さにも強く、また土壌を選ぶこともないので栽培しやすく、庭木や生垣、鉢植え、盆栽にも利用できます。ただ刺があるので作業時には注意が必要です。
属名のPyracanthaはギリシャ語のpyro(火)で、akanthaは(刺)を意味し、赤く熟した鈴なりの実を火に例えたものとされています。同じバラ科の赤い実をつける「サンザシ」は、「ピラカンサ」とは異なり、落葉低木で葉のふちは3~5浅裂し、不ぞろいの鋸歯があり、果実はピラカンサのそれよりやや大きくなります。
check 2018年5月31日
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