江の島に咲く花
 

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江の島彩時記

ハマヒルガオ(浜昼顔)Calystegia soldanella
ヒルガオ科ヒルガオ属  多年草

ハマヒルガオは世界に広く分布する海浜植物、ヒルガオ科ヒルガオ属の多年草で、日本全土の日当たりのよい海岸に生育し、江の島では5月頃センタープロムナードやその付近にアサガオに似た美しい花を開きます。
葉はクチクラ層が発達して光沢があり、過度の水分蒸散や塩害を防ぎ、厳しい環境に適応しているものと考えられます。
5~7月、江の島では仲間のヒルガオやコヒルガオの花を、道端の植え込みの中や広場の脇などでよく見かけます。生育環境は海辺や砂浜 花期は5~6月
ハマヒルガオ
センタープロムナードに咲くハマヒルガオ
ヒルガオは「顔花」とも呼ばれ、万葉集の巻第8-1630にも詠われています。
「高円(たかまと)の 野辺のかおばな 面影に みえつつ妹は 忘れかねつも」
ハマヒルガオ、コヒルガオ、ヒルガオ、ヒロハヒルガオの4種はいずれも日本に自生するヒルガオ科の植物です。早朝に花開き昼頃しぼむ園芸種のアサガオは、熱帯アジア原産で中国から渡来し、江戸時代には多くの園芸品種が生み出され、朝顔市は今も夏の風物詩として人気があります。
明治初期に渡来したヨルガオも熱帯アジア原産で、夕方に約15cmの白色の大きな花を咲かせ翌朝にしぼむ美しい夜開性の花です。
アサガオ(朝顔)、ヒルガオ(昼顔)、ヨルガオ(夜顔)はいずれもヒルガオ科ですが、ユウガオ(夕顔)はヒルガオ科ではなく、北アフリカ原産で平安時代に中国から渡来したウリ科の栽培植物です。
夏の夜に白色の合弁花を開き朝にしぼみます。
果実は長楕円形~球形で食用に、また干瓢(かんぴょう)の原料にされ、干瓢は巻き寿司の具としてもよく知られています。
ハマヒルガオの花路傍に咲くハマヒルガオ
ハマヒルガオの花 と 路傍に咲くヒルガオ
ハマヒルガオは、海岸の砂浜に生えるつる性の多年草で、地下茎は砂の中をはって延び、しばしば大群落を形成します。葉は腎臓形で厚く長さは2~5cm、表面はクチクラ層が発達して光沢があります。
花期は5~6月、長い花柄を出してヒルガオに似た美しい4~5cmの花を開き、色は淡紅色です。
雄蕊は5個、花柱は1個で柱頭は2個、つけ根にある2個の苞葉は萼よりやや短く、長さは1~1.5cmの卵形です。果実は黒色で4個の種子があります。同じヒルガオ科のグンバイヒルガオ(軍配昼顔)は四国・九州・小笠原諸島などに生育していますが江の島には自生していません。和名は浜辺に咲き、朝咲いた花は昼間も萎れることなく開いていることに因みます。

【写真&文:坪倉 兌雄 2011-06-04